親など被相続人の遺産を使い込んだとして、家族や相続人、後見人から返還請求を受けている方

親など被相続人の遺産を使い込んだとして、家族や相続人、後見人から返還請求を受けている方

ご相談から解決までの流れ

ご依頼いただいた後は、代理人として弁護士が、ご家族や相続人・後見人からの返還についての窓口となりますのでご安心ください。

1 遺産の返還を求める家族・相続人・後見人への代理人就任の連絡

被相続人の預貯金/遺産の返還を求める家族・相続人・後見人に対して、使い込んだとされる側の代理人に就任した旨の連絡を入れます。合わせて、請求されている側として回答作成の準備のため時間がかかること、請求する側が指定してきた入金期限には間に合わないことも合わせて申し入れます。

2 横領・使い込みではない証拠の収集、回答の作成

被相続人の遺産の返還を求める家族・相続人・後見人への回答書作成に当たって、こちら側の反論(返還する必要がないこと)とその裏付けとなる証拠を集めます。

反論としては、
「引き出したのは自分ではなく、被相続人本人である」、
「被相続人から贈与を受けた」、
「被相続人の指示を受けて預金を引き出したが、被相続人に全額渡した」、
「被相続人の借金や税金などの支払いに使った」、
「被相続人の介護費用に支払った」、
「被相続人の介護の報酬としてもらった」、
「被相続人の旅行などの遊興費につかった」
などが考えられます。

これらの反論の証拠として、
「被相続人本人が引き出した」場合であれば、–>被相続人本人が預貯金を引き出せる状況にあったことを証明する書類(診断書、カルテ、介護記録など)が必要になります。「預貯金を被相続人の代わりに引き出したが、返還の必要がない」という場合は、贈与契約書、税金や介護費用・遊興費に使ったのであれば領収書、介護の報酬であれば、介護報酬についての契約書、覚書などが必要になります。

3 家族や相続人・後見人からの返還請求への回答と示談交渉

被相続人の遺産を使い込んだと主張している家族や相続人・後見人から返還請求へこちら側の回答を証拠資料添付で行います。
併せて、和解ができる場合があれば、親、被相続人の預貯金、遺産を使い込んだとして家族や相続人、後見人との和解交渉を行います。

4 和解の成立

被相続人の遺産を横領・使い込みについて返還を請求している側の家族や相続人、後見人と条件面で合意ができれば、和解し、和解条件に従って、和解金の支払いなどを行います。

5 裁判・調停対応

(和解が成立しなかった場合。不当利得返還請求訴訟、横領・不法行為に基づく損害賠償請求訴訟、遺産分割調停での使途不明金返還請求、遺留分減殺請求訴訟内での返還請求)

 被相続人の遺産を横領・使い込みについて返還を請求している側の家族や相続人、後見人と条件面で合意ができない場合、返還を求める裁判(【不当利得返還請求訴訟】、【横領・不法行為に基づく損害賠償請求訴訟】)を起こされる可能性が高いです。また、相続が始まっている場合は、遺産分割調停での使途不明金返還請求や遺留分減殺請求調停・訴訟内での使途不明金の特別受益の持ち戻しによる請求などがなされる可能性があります。

 この場合、裁判・調停の中で、こちら側の反論(返還する必要がないこと)とその裏付けとなる証拠を集めます(詳しくは前述の「2 横領・使い込みではない証拠の収集、回答の作成」をご覧ください)。「引き出したのは自分ではなく、被相続人本人である」と争うなら、被相続人が引き出した証拠(引き出し店舗や医療記録など)を提出します。また、「引き出したことは間違いないが、被相続人からもらった」(被相続人から「贈与を受けた」「孫に贈与した」、「介護の報酬としてもらった」など)と争う場合には贈与契約書などの証拠を提出することになります。「自分が引き出したが、被相続人のために使った」(「被相続人の指示を受けて預金を引き出したが、被相続人に全額渡した」、「被相続人の借金や税金などの支払いに使った」、「被相続人の介護費用に支払った」、「被相続人の旅行などの遊興費に使った」)場合には領収書などが必要でしょう。

6 裁判・調停の種類別の解決方法

(1)不当利得返還請求訴訟、横領・不法行為に基づく損害賠償請求訴訟の場合

原告、被告双方の主張を行います。
被告側では、「引き出したのは被告ではないこと」や「被相続人の口座から引き出したお金の使途が正当であったこと」に裁判の重点を置くことになります。お互いの主張や証拠が出尽くしたところで、尋問手続きに入ることが一般的です。こちらの横領、使い込みにならない等の反論が裁判でどこまで認められそうか、和解に応じるメリット・デメリットを考慮しながら、解決方法を探っていきます。裁判の途中で裁判所主導で和解による解決が試みられることも多いです。和解がまとまらない場合には、判決になります。

(2)遺産分割調停の場合

遺産を使い込んだ人が相続人の場合でも、遺産分割調停遺産分割調停では、横領/使い込まれた預貯金は原則として遺産分割調停の対象にできません。例外的に、遺産分割の対象とすることに相続人全員の同意があれば解決を図れます(同意がない場合、「(1)不当利得返還請求訴訟、横領・不法行為に基づく損害賠償請求訴訟」の裁判手続きで解決を図ることになります)。そのため、遺産分割調停での解決を図ること、遺産分割調停でなく不当利得返還請求訴訟/横領・不法行為に基づく損害賠償請求訴訟で解決を図ること、それぞれのメリット・デメリットを考慮しながら解決方法を判断することになります。

遺産の横領・使い込みの返還を求められた場合の遺産分割調停:関連QA
遺産の預貯金の使い込みの返還を求められました。引き出したお金の使い道、理由の説明をする場合、注意することはありますか?
それぞれの引き出しの日付、金額を明示して、それぞれのお金について、使い道、理由を説明することが重要です。たとえば、■月●日の50万円引き出しは親の入院費用、■月▲日40万円引き出しは生前贈与でもらった、●月■日100万円引き出しは自宅のバリアフリー工事費用など、といった具合です。
被相続人の遺産の横領・使い込みの返還を遺産分割調停で求められました。遺産分割調停で返還協議に応じた場合のメリットを教えてください。
被相続人の遺産の横領・使い込みを遺産分割調停の中で返還協議に応じるメリットは、遺産相続の全体的な解決を図れることです。 また和解条件の調整弁に使えることです。 後者については、例えば遺産分割の他の争点(不動産の評価、寄与分など横領・使い込みに関係のない争点)について、相続人全員が譲歩し、他方、被相続人の預貯金、遺産の横領・使い込みについても、相続人全員で返還金額を満額でなく譲歩するといったような解決を期待できることがあります。
被相続人の遺産の横領・使い込みの返還を遺産分割調停で求められました。遺産分割調停で返還協議に応じた場合のデメリットを教えてください。
被相続人の預貯金、遺産の横領・使い込みを遺産分割調停の中で返還協議に応じた場合のデメリットは、遺産相続の全体的な解決の長期化が予想されることです。遺産分割調停の争点に、被相続人の預貯金、遺産の横領・使い込みという大きなテーマが増えます。そのため遺産分割調停も被相続人の預貯金、遺産の横領・使い込みのための時間、調停の回数が増えることが予想されます。
被相続人の遺産の横領・使い込みの返還を遺産分割調停で求められました。遺産分割調停で返還協議で応じずに不当利得返還請求訴訟、横領・不法行為に基づく損害賠償請求訴訟で解決を図ることのメリットを教えてください。
遺産分割調停で返還協議で応じずに不当利得返還請求訴訟、横領・不法行為に基づく損害賠償請求訴訟で解決を図るメリットは、遺産分割調停の長期化を防止できることです。被相続人の預貯金、遺産の横領・使い込みの返還の争点が遺産分割調停に入らない分、調停の進むスピードが速まります。
被相続人の遺産の横領・使い込みの返還を遺産分割調停で求められました。遺産分割調停で返還協議で応じずに不当利得返還請求訴訟、横領・不法行為に基づく損害賠償請求訴訟で解決を図ることのデメリットを教えてください。
被相続人の預貯金、遺産の横領・使い込みを遺産分割調停の中で返還協議に応じずに不当利得返還請求訴訟、横領・不法行為に基づく損害賠償請求訴訟で解決を図るデメリットは、遺産相続の全体的な解決や和解条件の調整弁に使えないことです。また、被相続人の預貯金、遺産の横領・使い込みの返還を求める相続人を感情的に刺激し、親族関係が悪化し、和解が成立しにくくなる場合もあります。

遺留分減殺請求調停の場合

遺留分減殺調停は、調停に参加する全当事者(相続人、受贈者、受遺者など)が全体的な解決に同意しないと解決できません。そのため、被相続人の預貯金・遺産の横領/使い込み、横領の争点について、遺留分減殺請求調停の中で解決を図ること、遺留分減殺請求調停でなく遺留分減殺請求訴訟で解決を図ることそれぞれのメリット・デメリットを考慮しながら解決方法を判断することになります。

遺産の横領・使い込みの返還を求められた場合の遺留分減殺請求調停:関連QA
被相続人の遺産の横領・使い込みの返還を遺留分減殺請求調停で求められました。遺留分減殺請求調停で返還協議に応じた場合のメリットを教えてください。
被相続人の預貯金、遺産の横領・使い込みを遺留分減殺請求調停の中で返還協議に応じた場合、遺留分減殺請求事件の一括的な解決ができることです。また遺留分減殺請求の和解条件の調整弁に使えることです。後者については、例えば遺留分減殺請求の他の争点(不動産の評価、自社株式の評価など横領・使い込みに関係のない争点と被相続人の預貯金、遺産の横領・使い込みの争点、それぞれで相続人全員で譲歩して終結するといったような解決を期待できることがあります。
被相続人の遺産の横領・使い込みの返還を遺留分減殺請求調停で求められました。遺留分減殺請求調停で返還協議に応じた場合のデメリットを教えてください。
被相続人の預貯金、遺産の横領・使い込みを遺留分減殺請求調停の中で返還協議に応じた場合のデメリットは、遺留分減殺請求調停事件の長期化が予想されることです。遺留分減殺請求調停の通常の不動産時価評価額などの争点に、被相続人の遺産の横領・使い込みという大きなテーマが増えます。そのため遺留分減殺請求調停も被相続人の遺産の横領・使い込みのための時間、調停の回数が増えることが予想されます。
被相続人の遺産の横領・使い込みの返還を遺留分減殺請求調停で求められました。遺留分減殺請求調停で返還協議で応じずに遺留分減殺請求訴訟で解決を図ることのメリットを教えてください。
遺留分減殺請求調停で返還協議で応じずに遺留分減殺請求訴訟で解決を図るメリットは遺留分減殺請求調停の長期化を防止できることです。遺留分減殺請求調停は不成立の場合、いずれにせよ遺留分減殺請求訴訟で解決を図らなければなりません。そのため、「遺留分減殺請求調停で被相続人の遺産の横領・使い込みの返還に時間をかけたが、不成立となり、結局、遺留分減殺請求をやることになった」、「調停にかけた費用と時間が無駄になった」といったロスを防止できます。
被相続人遺産の横領・使い込みの返還を遺留分減殺請求調停で求められました。遺留分減殺請求調停で返還協議で応じずに遺留分減殺請求訴訟で解決を図ることのデメリットを教えてください。
被相続人の預貯金、遺産の横領・使い込みを遺留分減殺請求調停の中で返還協議に応じずに遺留分減殺請求訴訟で解決を図るデメリットは、被相続人の預貯金、遺産の横領・使い込みの返還を求める相続人を感情的に刺激し、親族関係が悪化し、和解が成立しにくくなる場合があることです。

遺留分減殺請求訴訟の場合

原告、被告双方の主張を行います。被告側としては、被告側では、引き出したのは被告ではないことや、受け取っていたとしても特別受益に当たらないこと、親や被相続人の口座から引き出したお金の使途が正当であったことなどに裁判の重点を置くことになります。お互いの主張や証拠が出尽くしたところで、尋問手続きに入ることが一般的です。こちらの特別受益に当たらないこと、横領、使い込みにならない等の反論が裁判でどこまで認められそうか、和解に応じるメリット・デメリットを考慮しながら、解決方法を探っていきます。

相談実績・解決実績

相続財産の使い込みについての相談東京ミネルヴァ法律事務所では、遺産の使い込み事案について返還請求されたケースではどういった事例を扱っていますか。

弁護士の回答遺産を使い込んだとして返還請求される側の裁判前の示談・和解交渉、裁判を多く取り扱っています。金額的にも、遺産の使い込み金額として返還請求された額が億を超える案件も複数扱っています。また、ご健在の方の成年後見人から返還請求を受けた親族の案件も扱いがあり、様々な事例を扱った経験があります。

その他、お問い合わせの多いご質問内容については「相続に関するQ&A【遺産の使い込み】」コンテンツでご紹介しておりますので、ご覧ください。

お問い合わせフォームはこちら [お急ぎの方へ] 回線混雑などで03-5356-6362にお電話が繋がらない場合や深夜早朝の緊急時は、050-3558-7744(弁護士直通)にお電話ください。