遺産分割協議書の清算条項

弁護士が遺産分割協議書を作成する場合、必ずと言っていいほど清算条項という文言を入れます。

これは、「この遺産分割協議書に書いてあること以外に、今回の相続ではお互い一切の請求をしない、解決済みとする」という内容です。この清算条項を遺産分割協議書に入れる理由はもちろん紛争の蒸し返しを防ぐためです。この清算条項がないと、遺産分割協議書を作成し遺産の分割も終えた後に、他の相続人から「もっと自分は遺産を貰っていいはずだ」と追加で遺産の分配を求められることもあります。また司法書士、税理士など他の士業が作成した遺産分割協議書を見ると、この清算条項が入っていないことが多く、そのことが原因でご相談にいらっしゃった方もいらっしゃいます。

もっともこの清算条項は、こちらも他の相続人に対する請求をしないと約束するものです。そのため、むやみやたらに清算条項を入れるとかえってこちらが大損する危険があります。そのため、ご自分で作成されずに、必ず弁護士にご相談することをお勧めします。

遺産分割協議書

遺産分割協議の相談
遺産分割協議書に書いておくべき事柄はありますか。

弁護士の回答遺産分割協議書には、相続人が誰か、遺産に何があるか(遺産目録)、遺産の何を誰が取得するのかを最低限書く必要があります。それ以外には、清算条項は盛り込んでおいた方がいいでしょう。

弁護士が遺産分割協議書を作成する場合、必ずと言っていいほど清算条項という条項を入れます。相続の一挙解決には不可欠な条項です。
h6詳しくは、コラム「遺産分割協議書の清算条項」にてご説明致します。


遺産分割協議の相談遺産分割協議書に書くべき遺産目録に漏れがありました。
どうしたらよいですか。

弁護士の回答遺産目録から漏れた財産について別途遺産分割協議が必要です。こういったことを防ぐためにも、遺産分割協議の際にも弁護士のアドバイスを受けることをお勧めします。

遺産分割協議とは

遺産分割協議とは、被相続人が死亡して、遺言がない場合や遺言とは異なる内容の遺産の分割方法を定める協議をいいます。

遺産分割協議は、相続人全員が、遺産の分割方法について合意することが必要です。遺産分割協議は法律上は、書面によることは要求されていませんが、実際には書面で作成し、相続人全員が署名し、実印を押すのが一般的です。

遺産分割協議の流れ

遺産分割協議のやり方は、一般的には下記のとおりです。

遺産分割協議の流れ

(1)  相続人の確定

相続人が誰かを確定させます。
戸籍を取り寄せるなどして、相続人を確定します。

(2)  遺産の範囲の確定

遺産分割の対象である遺産の範囲を確定します。
つまり、被相続人の遺産として何があるかを調査し、確定します。

遺産の範囲でよく争われる問題には、被相続人が買った不動産の名義が相続人の一人になっている場合や借名預金があります。
遺産分割の対象である遺産の範囲で、相続人の合意が得られない場合には、遺産確認の訴えを起こして、遺産の範囲を定めることになります。

(3)  遺産の評価

遺産分割の対象である遺産の評価額を出して、遺産総額を確定します。
遺産分割をする際に、遺産総額を確定することはその前提となります。

遺産分割の対象である遺産のうち、評価を定め確定する必要があるものは、不動産、自動車、未公開株式、貴金属などです。
また、遺産分割の対象である遺産の評価額について、相続人間で合意ができなければ、専門家による鑑定を行うなどして、評価額を定めることになります。遺産分割の対象である遺産の評価額で合意ができず、遺産分割協議が整わなければ、遺産分割調停を行うことになります。

(4) 特別受益、寄与分による相続分の調整

相続人のうち、特別受益や寄与分がある相続人については、相続分について増減を行い、相続分の公平を図ります。

(5) 遺産分割方法の協議

遺産分割方法の協議を行います。

遺産分割方法の協議とは、相続人それぞれの相続分を算出して、どの遺産をどの相続人が取得するかを協議することです。遺産分割協議における相続分は法定相続分が基本となりますが、相続人間で相続分を変更することもできます。また、(4)の特別受益や寄与分による調整を行った相続分で遺産分割協議を行うことも可能です。

(6) 遺産分割協議書の作成

遺産分割協議について、相続人全員の合意が成立したら、遺産分割協議書を作成します。

相続人全員が遺産分割協議書に署名の上、実印で押印し、印鑑証明書を添付し、相続人がそれぞれ遺産分割協議書を1通ずつ持ち合います。遺産分割協議書の内容に従って、相続人各自が遺産を取得します。

遺産分割協議がまとまらない場合

  • 遺産の評価で合意ができない
  • 特別受益や寄与分の主張で争いがある
  • 遺産分割方法で合意ができない

など、遺産分割協議がまとまらない場合があります。

遺産分割協議がまとまらない場合、遺産分割調停という家庭裁判所の手続に移行して、解決を図ることになります。

また、遺産の範囲で争いがあり、遺産分割協議で合意できない場合には、遺産確認の訴えという裁判を地方裁判所で行い、遺産の範囲を確定することになります。遺産の範囲を確定後、遺産分割協議や遺産分割調停にて解決を図ります。


相続の相談遺産分割協議に弁護士は必要ですか?
弁護士の回答遺産分割協議の際、弁護士に依頼した方がより良い結果につながり易いでしょう。遺産分割協議の際に弁護士に依頼するメリットをご紹介します。

遺産分割協議を弁護士に依頼するメリット

相続に精通している弁護士に依頼することが重要です。

遺産分割協議の際に弁護士に依頼するメリットをご紹介します。

1.複雑難解な手続きを代行します

遺産分割協議の手続はやるべきことが盛りだくさんで、一般の方には負担が重いものです。

この点、相続・遺産分割に精通している弁護士に依頼すれば、そのような負担はなくなります。遺産分割など相続に精通している弁護士は、遺産分割協議全体を見通せます。これから遺産分割協議を行う上で協議すべき事項は何か、遺産分割協議を行う際に必要な書類、資料は何かは把握した上で、遺産分割協議を行いますので、円滑に遺産分割協議を進めることができます。

2.依頼者にとって有利になる法的な主張を組み立てます

遺産分割協議には、遺産の範囲や、遺産の評価、特別受益、寄与分など様々な法的な問題が登場します。これらひとつひとつを分析して、依頼者にとって有利な結果になるよう、法的な主張を組み立てます。

専門的で、一般の方が自力で行うのは困難だと思われます。 依頼者にとってもわからなかった事実を発見し、それを法的な主張に構成して主張する場合もあります。 たとえば、代理人が被相続人の預金口座を調査し、他の相続人が生前贈与を受けていた事実や、遺産を使い込んでいた事実を発見する場合もあるのです。

3.他の相続人との交渉を代行します

遺産分割協議においては、他の相続人との交渉・折衝が避けて通れません。

しかし、遺産分割協議の相手方は兄弟姉妹など知己の親類ですから、 改めて交渉しにくい場合があると思います。 また親類だけれども今まで一度も会ったことがなくてどう交渉を進めたらよいか分からない場合もあります。 さらに、遺産分割協議をすでに行ったが、決裂してしまった場合もあります。 こういった場合には弁護士を立てて、交渉した方がスムーズに進むことが多いです。

4.遺産分割協議で主張すべきこととそうでないことを的確に判断します

遺産分割協議においては、 良かれと思って主張したことが、かえって自己の相続分を減少させる法的根拠となることがあります。 同様に、遺産分割協議において有利になると思って出した証拠が、 かえって自己の相続分を減少させる証拠となることがあります。

遺産分割協議において弁護士に依頼すれば、依頼者のお話を聞き、資料を調査し 遺産分割協議で主張すべきこととそうでないこと、提出すべき証拠とそうではない証拠を判断します。 そして、主張すべき主張のみ主張し、提出すべき証拠のみを提出します。